お正月

お正月 お正月諸事について

日本のお正月

 かつての日本のお正月を思うと家々の門に門松や玉飾りが飾られ、家の神棚や床の間には鏡餅が供えられている風景が目に浮かびます。
そして家族や親族が集まり、お雑煮やお節料理を前におとそや御神酒で新年をお祝いしたものです。子供は歌にもあるように、正月になったら凧揚げ、独楽(こま)回し、羽つきをして遊ぼうと指折り数えたものでした。そして、なんと言っても一番の楽しみはお年玉を頂くことではなかったでしょうか。
正月は師走のあわただしさとはうって変わって何かほのぼのと暖かみのある、そして力が湧いてくる、そんな感じを受けたのは自分ばかりではなかったと思います。今はその正月風景もすっかり薄れてしまいました。その原因の一つに正月を行う目的が失われてしまったことが挙げられると思います。
そこでお正月諸事について考えてみたいと思います。

お正月って何だろう?

 日本のお正月はただ年が改まるだけではありません。すべてのものに新しく魂を頂き生まれ変わる時なのです。ですからこれを祝福して「おめでとうございます」と挨拶を交わす訳です。
新しい魂(新玉・あらたま)は歳神様(としがみさま)が各家庭にもたらしてくれます。その為歳神様をお迎えするのに立てられるのが門松なのです。
家の中では心のより所や生活に大切な働きをする神宿る場所、神棚、床の間、大黒柱、台所、井戸、お手洗い等に魂を迎えもてなすお供えが飾られました。それだけではありません。人にも魂を頂くのです。今でも数え歳を使うことがありますが、昔は正月を迎えると誰でも同時に一つ年齢が増しました。つまり一年を生き抜く生命力を頂いた訳です。
家の主が歳神様に代わってその生命力を家族に与えました。これがお年玉なのです。

一夜飾りを嫌うのは何故?

 年の瀬になると神社では大祓の清めの神事が催されます。又、どこのご家庭でも大掃除をするものと思われます。(その折、神棚の御神札も新しい物に替えておき、その年の御神札は年内に神社に収めます。)その他にも床屋に行ったり、新しい着物や下着を用意するのは、新しい年、つまり神様をお迎えするためなのです。
全てのものを清めて準備する。神様を迎えるにはそれなりの心構えが必要なわけです。 それらの準備を整え、大晦日の晩は寝ずに神待ち(こもり)をし、初日の出(ご来光)とともに新玉を迎えます。ですから、門松、神札、しめ縄等の一夜飾りを嫌うのです。

初詣

馬橋稲荷神社の羽子板守り
馬橋稲荷神社の羽子板守り

神棚にお供えをあげ家族揃って拝礼し、新年の祝いをした後、まずその土地の鎮守の神である氏神様(この地域の場合馬橋稲荷神社)にお参りします。

神前では無事新年が迎えられたことに感謝し、今年一年、一生懸命生活していくことを誓い、家族の安泰を願うことが主になりましょう。

お雑煮とお節

 お雑煮に入れる餅は米を丸めて固めた稲魂(いなだま)の象徴であり、日本人が祭などハレの場には欠かさず用いる食べ物です。この餅を入れた雑煮を神様と共に食べることで神様からお力を頂くことになるのです。お節(おせち)とは節という中国の折り目の観念と結びついて日本では特定の年中行事を意味するようになり神祭りや桃の節句、端午の節句等を指して言うようになりました。その中で正月が最も重要な節の日であるため、歳神様に供える料理を「節句(せちく)料理」と言うようになり、それが縮まって「おせち」と呼ぶようになったのです。

黒豆 黒の魔除けとマメに暮らせるように。
数の子 にしん鰊を「春告魚」とも書き春の使者を意味し、数の多さで子孫繁栄を表す。
ごまめ 田作りともと言われ、イワシを肥料に米を作ったら五万俵も穫れたので「五万米」と書いて豊年を祈ります。
きんとん 栗の色を金色に見立て、丸い固まりを団と書くことから金団となり、小判を表し財の貯まる願いを込める。
蒲鉾(かまぼこ) 形が日の出に似ている事から新しい門出の膳にのるようになりました。
レンコン 穴がたくさん空いているので将来の見通しが利くように。
鮑(あわび) 身を薄く切って伸ばした物をのし鮑といい、永続を表します。
八つ頭 万事人の上に立つ頭となるように。
昆布 子を産むに結びつきます。
海老 腰を曲げた姿と髭が老人を表し長寿を意味します。

こんな事を考えながらお節料理を作ると楽しくなりますね!

とんど焼き

とんど焼き

 お正月に神様をお迎えして、お節料理でおもてなしをし、新しい魂と活力を頂きました。その神様に門松を焚いた煙に乗ってお返り戴く行事です。

 とんどの意味は火の燃える音、また「とおとい」のなまった言葉など様々な説があるようです。馬橋稲荷神社では1月7日午前11時より境内で『とんど焼きと七草がゆを食べる会』が行われます。

 お正月は日本人の自然観をよく表していると思います。「とし」とは農業生産のサイクルを意味し、自然の活力を表していると思われます。人も特別な存在ではなく、その自然の力の中で生かされているものとして認識されていました。
自然の様々な働きは日本人が大切にした神々であり、お正月にお迎えした神様をおもてなしするのは、素直な真心の心づくしなのです。
心を取り戻す時代と言って久しく、自然との共生が叫ばれている昨今、大切なのは自然と接する以外方法のなかった時代の「生きる知恵」を見直す事なのではないでしょうか。

馬橋稲荷神社では初詣を新年の儀式として 昇殿による正式参拝をお勧め致しております。
正式参拝とは清め祓いを受けた後、ご神前に 玉串を奉って参拝することです。
〇正式参拝 初穂料
一人壱千円より(とし玉守りを授与)
斎行日時 元旦より三日まで
ご希望の方は社務所にお申し込み下さい。